権ドール

しがないシガレットの煙

しがないシガレットの煙
しがないシガレットの
街は煙色で
星は見えない
星は見たことがない
煙色の街

いったい何匹の羊が
私の上を飛んでいっただろうか
私は飛んでいる羊の毛ばかりを
いつだってじっと見ていた
私は飛んでいる羊に爪を立て
いつだって毛ばかりをむしっていた

悪魔と天使があやとりをして
まだ見たことがない星色のコートをつくり
まだ見たことがない星色のコートを着て
私は煙色の街に出る
そしてまた私は煙色の羊を探すのだ

私が売るのは 性だけで
体は誰にも売りませぬ
私が売るのは 性だけで
心は誰にも売りませぬ

しがないシガレットの煙
しがないシガレットの
街は煙色で
星は見えない
星は見たことがない
煙色の街

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